フィリピン留学の中でも、「英語を本気で伸ばしたい」と考える学習者に根強い人気を誇る都市が「バギオ(Baguio)」です。
しかし、セブ島などのリゾート地に比べて情報が少ないため、「気になってはいるけど、よくわからない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
僕はカナダ留学の後、実際にバギオで語学留学を経験し、現在は現地の語学学校で学生スタッフとしても働いています。
この記事では、実体験とデータをもとに、バギオ留学のメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
- バギオ留学ってどんな環境?
- セブとの違いは?
- おすすめの時期や注意点は?
といった疑問を持っている方に役立つ内容になっていますので、これからバギオ留学を検討する方は、ぜひ最後までご覧ください!
この記事を書いた人
トミー(Tommy)
海外在住(バギオ)学校スタッフ&WEBライター&ブロガー。ブログ最高月10万円。元カナダのバンクーバー民。カナダの留学エージェントで100記事以上執筆。海外生活役立ち情報。Co-op留学、ワーホリ経験。前職はクレジットカード会社営業。「海外で気楽に暮らす」をモットーにサイト運営中。

バギオ留学の体験談はこちらから👇


バギオ留学のメリット


それではまず、バギオ留学の主なメリットから見ていきましょう。
セブ島やマニラのような都市型の留学とは異なり、バギオは“英語学習に集中したい人向け”の環境が整っている都市です。



実際に留学して感じたリアルなメリットを、データとともに解説していきます。
① 授業料がセブよりも安い|月5万円の差
バギオの語学学校はセブと比べて留学費用が抑えられる傾向にあります。
バギオの語学学校の授業料・滞在費(食費・寮費込み)は、4週間あたり平均約20〜25万円。一方、セブでは同じ内容(マンツーマン授業6コマ+寮3食付)でも25万円〜30万円が相場です。



実際には上記に加え、現地支払い費用(VISAなど)+航空券+娯楽費などがかかってきます。
もちろんセブでも安い学校があれば、バギオでも費用が高い学校は存在します。しかし、平均値で見るとセブ留学よりも授業料が抑えられる傾向にあります。
長期で留学すればするほど、この差は大きくなります。1年間だと数十万円以上の差になることも。
② マニラへの航空券代が安い|セブ便より年間平均1〜2万円安い
バギオへ向かうためには、日本からマニラまたはクラーク空港経由で向かいます。その際日本からフィリピンへの航空券代は、マニラ便の方がセブ便よりも安くなる傾向があります。
東京〜マニラ間の往復航空券はLCC(ZIPAIR、セブパシフィックなど)利用の場合15,000円〜25,000円です。
一方、東京ーセブ便は平均3万〜4万円台とされており、マニラ行きの方が1万円〜2万円ほど航空券代が抑えられます。
③ 天候が涼しく、過ごしやすい|平均気温20〜23℃の避暑地
バギオは標高1,500mの高地に位置し、「フィリピンの軽井沢」とも呼ばれるほど涼しい都市です。年間を通じて気温は20〜23℃前後で、暑さに弱い方でも快適に過ごせます。



実際に早朝や夜は15度前後になることも多く、上着があるとちょうど良いくらいの気温です。
フィリピン留学では一般的に、光熱費は留学生が負担するケースが多くセブなどの暑い地域では、光熱費が高くなる傾向にあります。
しかしバギオでは気温が高くならないため、エアコンは特に必要ありません。そうなると、光熱費の負担が減り、経済的な恩恵も受けられます。



「暑すぎて勉強に集中できない」や暑さで寝苦しいなどは感じたことはありません!
④ 遊びの誘惑が少なく、勉強に集中できる
バギオにはビーチやリゾートなどが近くになく、遊びの誘惑がありません。その分、勉強以外に時間やお金を使う機会が少なく、学習に集中しやすい環境が整っています。
また、門限が厳しく設定されている学校が多く、夜に出歩くこと自体禁止されていることもあります。
しかし、街の中心部へ出ると、レストランやバー、カフェ、ショッピングモールはあります。そのため、週末は適度にリラックスできるでしょう。



SMモールという大きなショッピングモールが市内中心部にあります。
⑤ 犯罪率が低く治安が良い|フィリピン全土でも上位の安全都市
フィリピンは地域によって治安の差が激しいですが、バギオは国内でも最も安全な都市の一つ。実際に住んでいる感覚としても安全な都市だと感じます。



では、実際に数値の観点からもバギオの安全性を確認しておきましょう。
たとえば、セブとバギオの治安を客観的に比較したデータ(Numbeo調べ)では、以下のような違いが見られます。
指標 | セブ | バギオ |
---|---|---|
犯罪指数(数値が低いほど安全) | 51.28(中程度) | 34.95(低い) |
安全指数(数値が高いほど安全) | 48.72 | 65.05 |
昼間に1人で歩くときの安全度 | 66.1(やや安全) | 87.0(非常に安全) |
夜間に1人で歩くときの安全度 | 42.8(やや不安) | 58.7(まずまず) |
麻薬関連の問題 | 64.9(高い) | 45.9(中程度) |
暴力・武装強盗への不安 | 52.2(中程度) | 35.5(低い) |
こうした数値からも、バギオは留学生にとってかなり安全な都市であることがわかります。



また、私自身の体験としても、フィリピンの他都市でよくあるようなタクシー詐欺や不当請求といったトラブルは、バギオ滞在中には一度も経験していません。街の雰囲気もゆったりしており、安心感を持って生活できます。
- 暴力事件や窃盗が少ない
- 留学生・外国人観光客を狙った犯罪が少ない
- 女性の一人歩きも比較的安心(夜間の注意は必要)
- タクシーやジプニーも安心して利用できる
治安に不安を感じている方や、初めての海外生活をする人にとって、バギオは非常におすすめの都市です。
⑥ 学校の施設が綺麗|韓国資本の学校が多い
バギオの語学学校は、韓国資本の学校がほとんどです。またバギオは留学市場全体でみるとまだまだマイナーな都市ですが、教育に対する投資意識が高く、校舎・寮・食堂などの設備が整っている学校が多いです。
- 学生寮にWi-Fi、シャワー、トイレ、冷蔵庫完備
- 自習室・ジム・カフェ併設・ラウンジなど完備
- 韓国料理や日本料理を取り入れた日本人好みの食事



僕もバギオにくる前は、もっと施設が古くて、汚いのかなと想像していたのですが、実際に来てみたら180度印象が変わりました。
⑦ 日本人比率が低めの学校が多く、英語環境を作りやすい
バギオのでは、日本人比率が10〜30%前後の学校が多数。
一方、セブ島では40〜50%を超えることもあり、「気づけば日本人同士で固まっていた…」というケースも。
- 韓国・台湾・ベトナム・アラブ系など多国籍の生徒が在籍
- 寮でルームメイトと英語で会話する機会も豊富



英語漬けの環境を作りたい人にとって、バギオは理想的な環境です。
⑧ 留学生の多くが「本気で英語を学びたい」タイプなので刺激になる
バギオには、「英語試験のスコアアップ」「海外就職」「大学進学」など、明確な目標を持った学生が多く集まります。
語学学校もTOEIC/IELTSの試験対策に特化したコースを持つ学校が多く、留学生のモチベーションが高いのが特徴。
- IELTS 6.5〜7.0以上を目指す学生も多数
- 留学未経験者だけでなく、再留学や社会人経験者も多い傾向
- 「遊びより学び」を重視した人が集まりやすい
留学生の中には夜中まで勉強したり、休日も勉強に時間を充てる方もたくさんいます。そのような環境の中にいるだけで自分を律しやすくなるのも良い点です。
バギオ留学のデメリット


ここまでバギオ留学のメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットや注意点も存在します。
バギオは「勉強に集中できる環境」として非常に優れた都市ではあるものの、アクセスや気候、生活の利便性などで人によってはストレスを感じる部分もあるかもしれません。
実際に現地で生活してみて感じた「不便だったこと」や「気をつけたほうが良いポイント」をデータや体験をもとにリアルに紹介していきます。



留学はいい話だけを聞いて決めると、後で後悔するケースもあります。デメリットまでしっかり理解して、自分に合った留学先を選びましょう!
① 最寄りの国際空港がなく、マニラからバスで6時間ほど移動が必要
バギオには国際空港がないため、マニラ空港からの長距離移動(約5〜6時間)が必要です。クラーク空港からもバスを利用してバギオに移動できます。
このようにバギオ留学はバスでの長距離のせいで、初日が1番ハードと言われています。基本的に留学生はBESAという団体の集団バスを利用してマニラまたはクラークから移動しますが、かなり体力的にしんどいです。
海外慣れしている方の場合は、JoybusやGenesisなどの高速バスが出ているので、個人的にそちらを手配した方が快適でバス代も節約できます。



マニラからバギオまでは団体送迎利用だと約7,800円で個人手配の高速バス利用の場合は約2,500円。
しかし、高速バスのピックアップ場所が空港から離れているため、初留学の場合は団体送迎をお勧めします。



個人的には東京-マニラ間の航空会社は「ZIP AIR」を利用して、バギオからマニラまでは高速バスが1番コスパよく快適な気がしています。


② 海がなくリゾート感は味わえない
バギオは内陸都市で海沿いではないため、セブ留学のようなビーチやマリンスポーツは期待できません。
そのため留学に「観光」「遊び」「リフレッシュ」を求めている人には、物足りなさを感じるかもしれません。
ただし、バギオ留学中にビーチに行くチャンスは意外とあります。1番近くのビーチへは車で1〜2時間で行けるので、勉強に疲れた時にリフレッシュできます。またバギオは山岳地帯なので、ハイキングスポットが豊富です。



そもそも僕はマリンアクティビティが嫌いなので、バギオに海がないことはメリットでした。ビーチ嫌いな方はぜひバギオへお越しください。笑
③ 都会的な生活を求める人には不向き
バギオは「フィリピンの避暑地」として知られる自然豊かな地方都市であり、セブやマニラのような大都市感は期待できません。ただし、バギオが田舎で何もないと考えているなら、その認識は誤解です。
バギオは規模自体は小さいですが、市内中心部が栄えており、SM Mall Baguioという大規模のショッピングモールがあったり、レストランやカフェ、バーはある程度充実しています。
そのため、生活する上で困ると言ったことはありませんが、セブなどの都市と比較すると利便性や店の充実度は劣っています。
④ 雨季は6~10月で落ち込みやすいシーズン
バギオは標高約1,500mに位置する山岳都市で、一年を通して涼しい反面、雨季(6〜10月)の降水量が非常に多いのが特徴です。



避けるべきシーズンは特に降水量の多い7月・8月



一方ベストシーズンは晴れが続く1月〜3月
📊 降水量と湿度のデータ(Weatherspark参照)
雨季 | 平均降水量 | 特徴 |
---|---|---|
6月 | 約350mm | 雨季入り、湿度上昇 |
7月 | 約720mm | 本格的な雨季スタート |
8月 | 約930mm | 最も雨が多い月 |
9月 | 約590mm | スコールが多い |
10月 | 約390mm | 徐々に雨が減り始める |
加えて、8月はもっとも雨の日が多く、湿度はこの期間80〜90%近くに達し、日中でもジメジメした空気が続きます。特に8月の降水量は東京の梅雨時期(6月・約200mm)の4倍以上とも言われ、気持ち的にも落ち込みやすい季節です。
- 乾季(11月〜5月)は降水量が少なく、気温も安定して20〜25℃前後。
- 湿度も高すぎず、朝晩は涼しく日中も過ごしやすい。
- 晴れの日が多く快適。エアコン不要で光熱費も節約。
- 特に1月〜3月は年間を通して最も快適な時期で、集中して勉強したい人にはおすすめです。
⑤内陸のため、日本の製品が高め
輸送コストの関係で、バギオでは日本からの輸入品(シャンプー、化粧品、食品など)は2〜3倍以上の価格になることがあります。
また、日本食レストランは市内にいくつかありますが、価格は日本の物価と変わらないまたはそれ以上な場合がほとんどです。



必要な日用品や日本食は留学に合わせて日本からまとめて持って行くようにしましょう。
バギオ留学に申し込む方法


バギオ留学をするためには、バギオのBESA(英語学校協会)という団体と提携している留学エージェントから申し込む必要があります。
個人で学校に直接申し込むことも可能ですが、基本的にサポート手数料がかからないので、留学エージェントを通して代理で申請してもらう方が圧倒的に得です。
バギオ留学であれば、2カ国留学を運営しているスカイカナダから申し込みが可能です。スカイカナダは、フィリピン留学とカナダ留学をサポートする留学エージェントでBESA(英語学校協会)にも加入しています。
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